ブンブン日記 2004年 9月
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9月30日(木)晴

「日本一元気な商店街」があると言われる佐世保市を訪れる。佐世保市の中心部にある商店街「さるく4○3アーケード」は、幅11メートル、長さ約1キロ。

確かに驚くほど人が歩いている。通行量は平日で約7万2千人、休日には約8万7千人に上るという。四ケ町商店街の竹本慶三理事長が仰る通り、「人がどこからともなくわいて出てくる」感じである。

人口は福井市とほぼ同じ24万人。造船と軍港が主産業の佐世保の景気は、他の地域以上に低迷している。郊外には大型店のジャスコがある。それなのに、この賑わいの原因は一体何か。

一つには、3つの大病院や、離島航路ターミナル、行政機能などの集客装置が、今でもまちなかに残っていることが挙げられる。また、次々に「人と人が出会う」イベントを仕掛ける竹本慶三理事長という名プロデューサーの存在も大きい。

この日、竹本理事長には午後3時から翌朝の午前3時までぶっ続けに佐世保の街をご案内いただいた。驚くべきエネルギーと人脈であった。元気な街には元気な仕掛け人がいる。

 

9月29日(水)雨後曇り

日本政策投資銀行の藻谷浩介さんのご紹介で佐賀市を訪れる。当初、福岡まで飛行機で行く予定だったが、台風21号が九州に接近していたので、急遽、JRで行くことにした。朝7時47分のサンダーバードで福井を出て、台風によるJRの遅れもあって、佐賀市に着いたのが午後2時過ぎ。台風はすでに四国に向かっていた。

まず、佐賀市役所の街づくり推進課の池田剛課長にお話を伺ってから、佐賀市内をご案内していただいた。

お話を伺いながら歩いてみると、お堀の中に県庁が建っているなど、驚くほど佐賀市は福井市と似ている。福井市の活性化策を考える上で、池田課長から多くの貴重な示唆をいただいた。

夜には、木下敏之市長と夕食をご一緒させていただいた。木下市長は6年前の平成10年に若干35歳の若さで当選し、現在2期目の青年市長である。この6年間で実行した改革の数々を市政の裏話を交えながら熱っぽく語っていただいた。

 

9月28日(火)曇り

県立図書館に出かけて、「てくてく巡業報告(清水町編)」の執筆を続ける。町の広報誌やHPなどで公開されている情報を収集すると、その自治体の情報開示度がよく分かる。清水町に限らず、一般的に言うと、情報公開が一般住民向けとされているためか、大雑把なことは分かるものの、より突っ込んだ情報になると途端に不透明になる。街づくりへの住民参加を真剣に考えるのならば、コンサルタントや研究者などを想定して、もう少し詳しい行政情報を開示して欲しいものだ。

 

9月27日(月)曇り

第二次小泉改造内閣が発足した。郵政民営化を最優先した内閣改造とされる。いよいよ構造改革=郵政民営化ということになるが、いまだに、郵政事業を民営化することがなぜ構造改革なのかがよく分からない。こうなってくると、「そもそも構造改革とは何だったのか」、「小泉首相がしたかったのは郵政民営化だけなのか」と疑問がどんどんふくらんでくる。また、構造改革の本質がぼやける一方で、二世議員などの世襲色が強まっている。今回の内閣改造のメッセージは、このままでは日本社会のダイナミズムが失われ続けるというものではないか。

 

9月26日(日)曇り

自宅の近くにある福井市立図書館に行き、「テクテク巡業レポート(清水町編)」の執筆に取り掛かる。福井市立図書館は県立図書館よりはるかに小規模だが、2階に広い閲覧室があるので便利である。市内にあるため高校生や中学生の姿を多く見かけた。水・木曜日は夜の7時まで開館しているらしいが、日曜日だからと言って4時に早々と閉まってしまうのはちょっと不便だ。

 

9月25日(土)曇り

清水町の志津が丘団地を回る。志津が丘団地は平成6年に造成された新しい団地である。清水町で先にできた大森団地やグリーンハイツの教訓が随所に生かされている。

まず、最低70坪で平均90坪前後と一戸当たりの敷地が広い。また、境界から1.5メートルは家を建ててはいけないとか、屋根の上にアンテナを立ててはいけないなどの厳しい団地協定が定められているため、ゆったりかつ整然とした街並みになっている。

高級住宅地と言ってもおかしくない団地だが、お値段の方は土地代も含めて一戸当たり3千万円前後とお手頃である。ほとんどの入居者が30代前後の新婚さんであるのも頷ける。

534ある敷地の内、まだ150近くが空地である。グリーンハイツから引っ越してくる家族もあるという。最近では、福井豪雨の被災者が入居するなどの動きがあるそうだ。清水町の人口増加の受け皿が志津が丘団地というわけだ。

 

9月24日(金)曇り時々雨

プロ野球のスト騒動が一段落したら、今度は新球団設立をめぐるライブドアと楽天の争いが浮上してきた。突然の楽天の参入、そして仙台を本拠地にする動きには出来レースの臭いがして、あまりすっきりしないものがある。ライブドア、楽天のいずれが新球団設立を認められるにせよ、誰もが納得する公明正大な審査プロセスであって欲しい。

 

9月23日(木)曇り

秋分の日。本山誠照寺の彼岸法会に出勤する。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、朝夕めっきり涼しくなった。太陽の位置が気候に与える影響の大きさを実感する。

今週末にも予定されていたプロ野球のストが中止になった。労使交渉で球団側が大幅に譲歩し、来季からの新規参入促進で合意が成立したためだ。

これまでならば「無理が通れば道理がひっこむ」ところが、選手会の主張に道理を認める世論の力が球団側の無理をひっこめた。「市民の常識」が「業界の常識」を打ち破った画期的な成功例である。

今回の教訓として、まず、選手会が泣き寝入りせずに立ち上がり、古田敦也選手会長の下で最後まで結束を貫いた。次に、やはり世論の力は大きく、世論は道理に味方する。

要するに、「どうせ駄目だ」とあきらめずに、「業界の常識」の無理を、道理の分かる「市民の常識」に粘り強く訴えることが大事である。

 

9月22日(水)曇り時々雨

小泉首相が国連総会で演説して、安保理常任理事国入りへの強い決意を宣言した。

国連を会社に喩えると、安保理は取締役会のようなもので最高意思決定機関である。理事国は取締役に当たる。

取締役(理事国)は通常、株主(加盟国)の選挙によって選ばれるが、常任理事国は創業当時のメンバーのようなもので、任期が永久であるだけでなく、多数決を覆す拒否権という特権も与えられている。

毎年、米国に次ぐ20%近くの分担金を払っている日本は、創業メンバーではないものの、言わば米国に次ぐ大株主である。大株主であることに加えて、これまでの会社に対する貢献、さらに今後の貢献意欲から、当然、常任取締役となるにふさわしいというのが日本の主張である。

では、常任理事国になるメリットとは何か。小泉首相は、憲法の前文にある「国際社会での名誉ある地位」と述べているが、これだけでは説得力に欠ける。「国際社会での名誉ある地位」を得るだけのために、「名誉ある地位に伴うコスト」を払う必要があるのかという疑問が出てくるからである。

実は、常任理事国になる最大のメリットは情報である。当り前の話だが、取締役と平社員では入ってくる情報の量も質も違う。質の高い情報を入手できるか否かは、日本の運命を左右する。

しかし、これを正直に言うと、現在の外務省の情報収集力がお粗末なのを暴露することになるので言えないのである。現実を直視すれば、日本の情報収集力を高めるために安保理常任理事国を目指すのは間違っていないのではないか。

 

9月21日(火)晴後雨

今年7月1日現在の都道府県地価(基準地価)の調査結果が発表された。東京など大都市圏では下げ止まりの傾向が見られるものの、地方圏の下落は止まらない。

東京に行くと六本木ヒルズや丸ビルに驚かされるように、都心各地で巨大な再開発プロジェクトが進められている。都心で地価が上昇しているのは、こうした大規模開発とそれに伴う都心回帰が大きな要因とされる。

単純に類推すれば、大規模な再開発をすれば地価が上がるということになる。こうしたことから、福井市でも手寄の再開発ビル建設という話が出てくるのであろう。

しかし、福井市などの地方都市では、大都市圏と違って高齢化と人口減少が進み、集客力を上げようにも肝心の人がいないという根本的な問題がある。果たして、柳の下に二匹目のドジョウがいるのか、慎重な検討が必要である。

 

9月20日(月)晴

一昨日に続いて、清水町のグリーンハイツを回る。実際に歩いてみると、グリーンハイツは予想以上に広い。1000戸近くあるらしい。最盛期には1060戸あったそうだ。造成してから30年以上経っているので、住民の方は高齢者が多い。歩きながらあらためて団地は若い家族中心という固定観念に囚われていた自分自身に気づかされる。

 

9月19日(日)晴

越廼村の運動会、福井市日の出地区の運動会を回る。

 

9月18日(土)曇り

清水町のグリーンハイツを回る。昭和48年に造成が始まった恐らく福井県最大の団地である。団地は若い家族が一斉に入るので、入居者の高齢化と共にゴーストタウン化する恐れがあると言われている。しかし、グリーンハイツでは造成から30年経って老朽化している家屋も見られたが、三世代が住めるようにと建て替えが着々と進んでいた。グリーンハイツは生きている。ゴーストタウン化はしないという実感を得た。

 

9月17日(金)曇り

ついにプロ野球がストに突入することになった。来季からの新球団の参入を認めるか否かをめぐって労使間で意見が対立したとのことだ。報道から推測する限り、球団側は来季からの新球団参入を認める気がまったくない。何だかんだと理屈をつけて、ずるずる先延ばししようという意図がミエミエである。仲間の働き場所を確保するために、選手会が「来季に向けて最大限の努力」を求めるのはもっともだ。この際、選手会には徹底的に頑張ってもらいたい。

 

9月16日(木)晴後曇り

清水町の小羽(おば)と朝宮を回る。朝宮を回っていたとき、稲刈りの終わった田んぼで作業をしている人たちがいた。機械化が進んだ田んぼで十数人が作業しているのは珍しい。何をしているのかと思ったら、お正月のしめ縄を作るための藁を作っているのだという。また、畑仕事をしている初老のご夫婦がいた。福井市と合併すると、落葉を燃やせなくなるのではないかと心配されていた。街中では落葉の量もたかが知れているのでゴミ袋に入れられても、田舎では落葉全部をとてもゴミ袋に入れきれない。「合併して何でもかんでも福井市と一緒にされるのは困る」と仰っていた。

 

9月15日(水)晴

清水町の和田、下天下(しもてが)を回る。和田はそこを目がけて行かなければ見過ごしてしまいそうな奥まった谷間にある集落である。それだけに結束が固く、見慣れない車や人には村中が注目する。時たま訪れる訪問販売のセールスマンもこれに臆してしまうのか、二度と集落を訪れることがないそうだ。在田(あいだ)と同じように集落の中を川が流れていて、のどかな風景である。下天下には立派なお屋敷が並んでいた。新築中の家もあった。大きな道路に面しているせいか、村の人の対応もどこか開けた感じがする。同じ清水町でもわずかな地理的な条件の差で集落の風土が微妙に異なるので驚かされる。

 

9月14日(火)雨後曇り

朝方、激しい雨が降る。小雨の中、清水町の清水を回る。戸数は多くなく、家と家の間が開いている。突然の訪問でご迷惑だったか、という印象が続く中、突然、「娘が鯖江市のポプラ歯科で働いていて、家中で応援しています」という家にぶつかる。ポプラ歯科の院長は高校時代の同級生で、政治活動を始めた当初から熱心に応援していただいている。有難い話である。それからしばらくは、不思議なことに、行く先々で「応援しています」と声をかけていただいた。世の中は、どこまで行っても、人と人とのつながりであることを実感させられる。

 

9月13日(月)曇り

福井市内の企業を訪れて、経済状況について色々とお話を伺う。中国経済の牽引、デジタル家電の好調、設備更新投資の増大を受けて、十数年ぶりの好況を謳歌している企業があるかと思えば、繊維やメガネなどの地場産業の落ち込みを受けて苦境に陥っている企業もある。総じて言えば、景気回復の恩恵に与っているのはごく少数で、大多数は経済環境の激変になかなか適応できないでいる。お話を伺いながら、政治や行政で何ができるかと考え続けているが、こうすれば良いという妙案が思い浮かばず心苦しい。

 

9月12日(日)晴れ

福井市の棗地区の運動会を回る。棗は三国町に近い海際の集落である。高校一年生の夏休みに棗の同級生を訪ねて皆で海水浴に行ったのが忘れられない。県が強引に進めて住民の反対運動を招いた魚のアラ施設建設計画も中止となり、棗地区は以前の落ち着きを取り戻していた。

 

9月11日(土)曇り時々晴れ

福井に戻る。北陸トンネルを抜けて田園風景が広がっているのを見ると、心の底からホッとする。東京はたまに行くのには良くても、やはり住むのは福井である。

 

9月10日(金)曇り時々雨

夏休みを利用して東京で働いている息子と会う。「NFLジャパン」というアメリカン・フットボール協会日本支社でインターン生として働いているそうだ。インターン生なので給料は出ないとのことだったが、社会人の諸先輩方から給料以上のことを学ばせてもらっているわけで何とも有難い話である。「お願いします」とか「有難うございました」とか、今まで息子の口から聞いたことのない言葉を聞いて嬉しかった。

 

9月9日(木)曇り

熊本県庁出向時代に共に国際課で働いていた青森県庁の天内章司さんと12年ぶりにお会いした。現在は、青森県の東京連絡事務所次長として活躍されている。

東京に赴任する前までは、青森県産のりんごやホタテ貝の輸出を増やすために全世界を飛び回っていたそうだ。そう言われてみれば、日本産のりんごやホタテ貝が海外で売れているというTVニュースを見たことがある。掛け声倒れに終わりがちな「地方の国際化」を見事に経済的成果に結びつけたわけで素晴らしい仕事をされたものだ。

東京連絡事務所では、国際核融合実験炉(ITER)の誘致活動に明け暮れているという。国際核融合実験炉とは、太陽の中で起きている核融合という現象を実験炉内で起こすことにより、巨大なエネルギーを作り出そうというものである。カナダ、EU、日本、ロシアによる国際共同プロジェクトとして推進されている。

ところで、青森県の六ヶ所村には使用済み核燃料の再処理工場などの核燃料サイクル施設がある。ITERを誘致することで「エネルギーの国際研究拠点」として、六ヶ所村が持つマイナスイメージをプラスイメージに転換させようという発想である。「もんじゅ」がある福井県がやろうとしていることに似ている。いや、福井県が青森県を追いかけているのかもしれない。福井県の将来を考える上で、青森県の動向は注目に値する。

 

9月8日(水)曇り

久しぶりに上京する。東京も蒸し暑い。豊島区生活産業プラザで日本政策投資銀行の藻谷浩介さんとお会いして、中心市街地活性化についての「藻谷理論」を詳しくお聞きする。

人口動態上の変化とミクロ経済学に基づく「藻谷理論」は説得力がある。全国で福井市のように戦災に遭った街の建物が一斉に老朽化し、更新時期が来ている。ところが、景気回復を待って、更新投資が先延ばしされているために、中心市街地が荒廃しているという。

一方、お隣の金沢のように戦災に遭わなかった街は、高度成長期に老朽化して徐々に建て替えが進んでいるために街が生まれ変わっているそうだ。

21世紀に入って人口が減少傾向に転じたため、今後、景気が回復しても、中心市街地の土地に対する需要は増えない。今すぐ、中心市街地の更新投資を行い、人を呼び戻す工夫をしないと、街そのものが消滅すると力説されていた。福井市は待ったなしの状況に立たされている。

 

9月7日(火)晴後台風

清水町の御油(ごゆ)と新保(しんぼ)を回る。台風19号が接近しているせいか、蒸し暑い日だった。回り終えると、強い風が吹き出した。朝には地震があった。豪雨に地震、おまけに台風。地球の調子がどこかおかしい。

 

9月6日(月)曇り

プロ野球の選手会が11日から毎週土、日に全試合ストを行うことになった。プロ野球の選手が団結して労働組合として行うもので、近鉄とオリックスの合併を1年間凍結するよう訴えている。

近鉄とオリックスが合併すれば、球団が一つ減ることになり、選手からすれば職場が減ることになる。職場の維持を訴えるのは、労働組合として当然のことだろう。

選手が我が儘だという批判もあるようだが、我が儘なのはオーナーの方である。倒産しかけている球団を救済したいと手を上げている企業があるのに、門前払いをした。選手やファンのことを第一に考えるならば、まず、球団存続のためにあらゆる手を尽くすのが筋というものだろう。

近鉄とオリックスの合併をめぐる今回の騒動は、日本のムラ社会体質を象徴するような話である。生き残るために余所者を入れるくらいなら、仲間内で衰退していく方が良いという発想である。プロ野球界のムラ社会体質を打破するため、選手会には徹底的に頑張ってもらいたい。

 

9月5日(日)雨後曇り

知人に誘われて、県立武道館に空手の練習を見学に行った。空手だけではなく、子供たちが柔道、剣道、弓道と様々な武道に励んでいた。これだけ立派な武道館があるので、福井県の武道はさぞかし強いのかと思ったら、残念ながらそうでもないのだという。やはり人口が多い県にはなかなか勝てないのか。いや、何も日本一にならなくてもいい。すくすく育って欲しいと必死に稽古する子供たちを見ながら思った。

 

9月4日(土)雨時々曇り

福井豪雨で中断していた「てくてく巡業」を再開。清水町の在田(あいだ)地区を回る。隣はもう朝日町だ。

村の真ん中を川が流れる美しい集落である。子供たちが川で遊んでいた。川の水もきれいだった。

敷地が広く、立派なお屋敷が多い。昔から豊かな地域だったのだろう。「在田はいいところですね」と声をかけると、「川も流れているし、在田はいいところですよぉー」と誇りに満ちた声が返ってくる。

農家の方は稲刈りもほぼ終わって、コメを乾燥させているところだった。「今年のおコメはどうですか?」と聞くと、「今年は豊作や。ほやけど、いくら採れてもコメを食べてくれんからねぇー」と仰っていた。

 

9月3日(金)晴

反ブッシュで有名なマイケル・ムーア監督の映画「華氏911」を観る。これまで日本ではあまり報道されていなかった多くの事実が明らかにされており、かなり衝撃的な内容だった。

まず、驚いたのは2000年の大統領選挙で投票の数え直しが行われたフロリダ州で、選挙前に1万人以上の黒人が投票者名簿から外されていたということである。ほとんどの黒人が民主党に投票するので、こうした不正行為がなければゴア前副大統領が間違いなく大統領に当選していたことになる。

サウジアラビア及び石油ビジネスとブッシュ一家との緊密な関係にも驚かされる。映画全体を通じて浮かび上がってくるのは、アメリカの1%に満たない富裕層の利権のために不必要な戦争を起こして、イラク人、アメリカ人を問わず、多くの人命を犠牲にしているというメッセージである。

これだけブッシュ大統領に不利な材料が暴露されて、それでも今回の大統領選挙が接戦というのはちょっと理解に苦しむ。アメリカの体制側が持つ底力の凄さを見せつけられる思いだ。

 

9月2日(木)曇り

あわら市の松木幹夫市長が、芦原温泉の虚偽表示問題への対策を発表した。独自の温泉マークを作り、旅館、パンフレット、ホームページなどに掲示する。温泉成分の表示について、10年ごとの分析を義務付ける。パンフレットなどの記載内容が景品表示法に違反しないかチェックする、といったものだ。

何度も書いているように、事件や事故の対応は、(1)真相究明、(2)責任追及、(3)再発防止の三点セットが基本である。今回の虚偽表示問題では、真相究明については、県も市も旅館名の公表を避けているため、このままだと不透明なまま終わりそうである。したがって、責任追及についても、うやむやに終わらざるを得ない。

結局、芦原温泉の虚偽表示問題は再発防止策オンリーで事態の収拾が図られることになる。喩えて言えば、今回の該当旅館は少年法で保護される少年Aというところか。本人の社会復帰のために、あえて実名を公表しなければ、責任も追及しない。

問題は、今回の該当旅館がどういう理由で少年Aと似たような保護を受けるのかという点である。旅館名を公表しないのならば、県やあわら市はこの点を県民や消費者が納得のいくように説明すべきであろう。

 

9月1日(水)晴後雨

福井市の片町商店街の方を対象とした日本政策投資銀行の藻谷浩介さんの講演を聞く。人口構成の変化についてのデータを示しながら、少子高齢化が招く地方都市の将来について分かりやすく話す。

これまでの日本の都市計画は、人口が増加するという前提の下に成立していたが、人口が減少する21世紀には確実に破綻する。このままいくと、福井市の中心市街地はどんどん空き地が増えて、街そのものがなくなる恐れがある。

郊外化にストップをかけると共に、中心市街地の地価をいったん下げるだけ下げて、魅力的な建物を建てるようにしないと、景気が良くなっても、空き地はいつまでも空き地である。

商店街の方がいくら努力しても、地権者が地価を下げ、行政が郊外化を止める努力をしなければ、中心市街地は活性化しないという目から鱗が落ちるような話であった。


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